Tips:私語をなくすには

教室での私語に頭を痛めているのは、先生だけではありません。現在の日本の大学では、9割近くの学生が授業に出席する一方、6割以上の教員がその私語に悩まされていることが、東京大学大学経営・政策研究センターが2010年度に行った全国大学教員調査から明らかになっています。 では、教室での私語をなくすにはどうすればよいのでしょうか。 大声で怒鳴りつけ、従わない学生には単位を与えない。こうすれば私語は少なくなるでしょう。しかし、その結果、学生は委縮し、教室での活発な意見交換や質疑応答は難しくなるでしょう。 論語の中にこんな言葉があります。「之を導くに政を以てし、之を斉(ととの)うるに刑を以てすれば、民は免れて恥無し。之を導くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥ありて且つ格(ただ)し」(論語為政第二)。規制や処罰によって人を指導したのでは、処罰を免れた者は何の反省もしない。一方、道徳や礼儀によって指導すれば、人は自らの行為を恥じ、正すことができる。 私語は他の学生の学ぶ権利を侵害する行為です。このことを学生自身に自覚させ、自らの行為を恥じ、正すことができるよう指導するのが第一ではないでしょうか。FD推進センターでは、学生の間にこうした認識を浸透させるため、新入生向けに配布している『学習支援ハンドブック』を通じて私語に関する啓発活動を行っています。 ちなみに、ある先生は毎年開講時にこんな話をすることで、学生を委縮させることなく、私語のない授業を実現しているそうです。 「私はこの大学での講義をとても楽しく感じています。なぜなら、本学には私語によって学友の学ぶ権利を侵害してはならないという良き伝統があるからです。みなさんもぜひこの本学の良き伝統を後輩たちに伝えていってください。」