英語授業(English_for_Certifying_Exams–Advanced )

かつて留学特訓と呼ばれたCEA (English for Certifying Exams–Advanced) の授業(使用言語は英語)で、今年度は選抜の結果27名の学生が机を並べることになった。彼らの大半は留学のためにTOEFL®スコアを一点でも上げることを目指している。だが週にわずか90分、それでスコアが飛躍的に伸びるはずはない。授業は独学のスキルを授けペースメーカーとなりモティヴェーションを保つための場にすぎない–そうした役割(と限界)をあらかじめ理解してもらうことは、授業空間に必須な信頼関係を築く第一歩である。 では「二歩目」の仕掛けとしてたとえばメーリング・リスト(以下ML)の作成があげられようか。TOEFL®の最新情報や受験体験報告、各自の勉強法や有益なネット・サイト紹介など、MLは実際的な情報交換を可能にするばかりか、同じ目的を持った学生たちが互いを励ます場としても大きな役割を担う。 こうして学生の「顔」が見えたところでいよいよ半オーダーメイドな授業展開が可能になる。TOEFL®に不可欠なエッセイ・ライティングの添削をなるべく頻繁かつ丁寧に行なうのはもちろんのこと、各学生が具体的にどのような留学ヴィジョンを抱いているのか、それを把握し、関連する事柄を随時解説などに織り込む。その積み重ねを通じて学生たちは匿名性のかげに隠れる必要を感じなくなり、クラス内で声をあげることへの心理的抑圧も軽くなる。質問や発言が増えるだけではない。むしろ的確な内容を的確なタイミングで投じるスキルが磨かれてゆく。実はこうした双方向の授業こそは英語圏の大学授業の予行演習となり、ここまで来ればTOEFL®のスコア・アップが目的ではなく、あくまでも手段にすぎないことが学生たちにも実感されるだろう。 授業はすべて英語で行われるので、置き去りになる学生がいないよう細心の注意を払う。いや、これはすべての授業で言えることか。