私の授業のひと工夫 第7回

ディスカッションを成立させるためのウォーミングアップ

 世の中、あまりに「アクティブラーニング」流行りなので、基本的な知識の習得もなしに、ためにするディスカッションやグループワークなんてナンセンスだ、とあまのじゃくの僕は日頃考えている。しかし、自分の講義は、一方通行の伝達やchalk&talkだけでは終わらせたくない。
 だから、「大人数の講義にもディスカッションを!」。授業の前半では、基本的な事項を遠慮なく「講義」する。後半では、議論してほしいテーマや問い、問題設定を提示したうえで、学生同士でのディスカッションを促す。これが、僕の授業の基本形である。
 しかし、杓子定規にこの流れで進めてしまうと、ディスカッションは見事に盛り上がらない。意見を求めても、なかなか手が上がらないし、パラパラと出てくる意見は、悲しいかな、前半パートでの僕の「講義」が踏まえられていなかったりもする。
 そこで、少し前から、次のような二つの工夫をはじめてみた。
 一つは、授業の前半に「講義」をはじめる前に、「今日は、こういうテーマでディスカッションをしてもらうよ」と事前予告しておく。そうすると、学生の側の「講義」の聞き方が変わってくる。
 もう一つは、教室全体でのディスカッションの前に、「まずは、隣の人と話してみて」とか、「まずは、コメントペーパーに自分の意見を書いてみて」という段取りを入れる。これをやっておくだけで、教室全体でのディスカッションに戻した時の学生たちの積極性が違ってくる。
 要は、ディスカッションの前にはウォーミングアップをさせるという単純なことなのだが、学生の反応は信じられないくらいと実感している。嘘だと思われるのなら、ぜひともお試しあれ!