復習を習慣づけるために
「講義ノートの取り方と活用法」を題材に初年次科目で3年間ほど実践した方法を紹介します。授業時間外に少しでも講義ノートを読み直す習慣を身に着けてもらうことが目標です。毎回のクラスでは、学生は各自の時間割から選んだ1科目の講義ノートを持ち寄り、その場で決めた順番で「講師役」となり3分間スピーチで前週の講義内容の要約を発表します。科目は自由に選ばせますが、1年生が履修する人文社会分野の基礎科目などが適しています。各自の実際の履修科目を練習の素材とすることがポイントです。聴き役の学生はその科目の「学生役」としてメモを取り事後に短い講評をします。コメントは改善にむけての提案を歓迎します。
ひとコマの講義内容を3分間に凝縮するのは大変ですが、授業内での作業時間は10分間に限ると前もって申し渡しておき、発表準備は時間外に済ませるよう誘導します。最初は何の用意もなく発表で討死にしていた学生が、他のクラスメートを倣ってお昼休みか前の晩にでも準備するようになれば嬉しいものです。楽をしようとプリントを配付する科目を選ぶ者もいますが、内容要約にかかる手間は変わらないことにも気がつくでしょう。
たとえ短い時間でも講義のあとノートを見直す習慣は有効です。これを入学直後に「歯を磨くように」習慣化する練習法として考案しましたが、単なる練習に終わらず毎週いずれかの科目の復習に役立っていることも実利的で気に入っています。