私の授業のひと工夫 第20回

 生命機能学科では4年生で卒業論文のための研究に専念できるように、1~3年生で講義科目の卒業単位をすべて履修することが可能です。そのため、3年生の秋学期には卒業に必要な講義科目の単位をすでに取得しており、講義を履修する学生が極端に減少します。私の担当する「医用生体工学」はその3年生の秋学期に開講する科目で、履修する学生も20人程度で1,2年生の講義科目よりも1/3~1/4程度になっています。そこで、普通の講義科目とは一味違った講義を行うことが可能になります。
 普段の講義科目では講師の話を聴くだけの学生に対し、それぞれ異なるテーマを与え、それについて調べ、パワーポイントにまとめて、逆に学生が講義をするということを行っています。最初の数回は私自身が講義の趣旨や概要、基本的な内容等について講義を行った後、学生各人にそれぞれ別々のテーマを与えて、調べてきて講義をするように順番を決めます。学生1回の講義は20分ぐらいを目安に3人ほど行うと時間的にはちょうど良い感じです。学生は自分で講義することに慣れていませんので、ポイントがズレている場合や、調べ切れていない場合があります。その時には補足説明を加えると良いでしょう。学生が講義をすると、聴いている同級生は友達の発表に興味津々となり、私が講義をしている時よりもよく聴いているので、授業効果が上がるようです。普段質問をしない学生も、友達同士であれば気軽に質問できるという効果もあります。
 最後に、このような講義形式は少人数でやる気のある学生が多い場合に大変有効な手段かと思います。学生の方も講義をする方の難しさもわかり、講義を受ける態度も変わってくるかもしれません。