理工系の基礎教育及び専門教育は「積み上げ式」が基本であり、段階ごとの知識・理解の習得のためには、各授業での学びへの「アイデアと工夫」が必要なのは言うまでもありません。今回は、現在実施している簡単な一例を紹介します。
学生の授業の満足度を何で測定するかは意見の分かれるところだと思いますが、授業の難易度、理解するための基礎知識の有無、課題提示の方法、事前・事後学習との関係の把握は、学生・教員の相互に非常に重要です。毎回の授業の組立方法の事前チェックは当然ですが(時間が限られてしまうことは当然あります)、背景、理論・式展開の確認のみならず、「授業全体の構成を常にイメージ」しながら授業を行っています。その構成にあたっては、各種授業支援ツール(授業支援システム、簡易自作コメントペーパー、期首・期中アンケート、挙手)等、あまり時間をかけずに簡単に出来る受講学生から情報を積極的に使いながら、翌週にはフィードバックできるように心掛けています。
私の行っている熱関連の授業は、実機レベルまでの理論把握が出来ていないと、全体が見えにくい分野の1つですが、復習を入れたイメージし易い、実践的な演習問題も授業内で活用しています(熱関係資格等の問題含む)。学生はイメージができると非常に興味を持ってくれます。また、解答のヒントを適宜、教室内の学生の進捗状況を把握しながら行うことにより(教室内をかなり動きます)、主体的な学びに繋がる「きっかけ創り」も意識しながら授業を行っています。