私の授業のひと工夫 第11回

 法政大学では、「世界に開かれた大学」を目指して外国人留学生の受け入れを増やしています。その一方で、日本語で行われている授業についていけない悩みをもつ留学生が多くいます。この状況を改善するために、私が行っている工夫をご紹介しようと思います。
 一昨年のことですが、私の担当する大規模授業の中に20名ばかりの外国人留学生がいましたので、数回の授業を終えた時、数人の留学生を呼んで授業に対して何か問題はないかと尋ねてみました。すると、韓国人留学生は漢字が、中国人留学生はカタカナが不得手であり、それが彼らの授業理解度を低下させている一因であることが分かりました。私の授業はパワポを使ったスライド授業ですので、次回から漢字とカタカナにルビを振ることにしました。ですが、パワポにはルビ機能がないので毎回40枚程度のスライドにテキストボックスにひらがな入力してルビを振る作業を行うことになりました。これは結構面倒な作業でしたので、ワードやエクセルに装備されているルビ機能がなぜパワポにないのか、何度も恨みました。でも、あるとき友人からある技を教えてもらいました。それは挿入メニューからオブジェクトを選んでワード文書として作成するやり方です。大変は大変ですが、おかげで労力はだいぶ軽減されました。
 ルビは概ね好評でしたが、留学生の中では、日本語能力のばらつきがありますので、「カタカナくらいは分かる」との意見もありました。