私の授業のひと工夫 第1回

法政大学FD推進センターでは、これから本学教員がお互いに授業のひと工夫を紹介しあう連載を始めます。忙しくて研究や講演に参加できない先生方も、短い記事なら目に留まることもあるでしょう。教員同士、ちょっとしたアイディアを共有し、使えるワザを取り入れることで、お互いの授業を少しずつ良いものとしていきましょう。 執筆者が次回の担当を紹介する、例の方式。教員間の意外なつながりも見えてくるかもしれません。

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大規模授業で学生にしっかりと考えさせ、その理解を確認しながら進めるにはどうしたらよいか。とくに知識供与型の授業ではその定着を毎回確認したい。「日本文芸史」というコース別必修科目を担当する私はその方法を模索しています。 講義で一区切り着いたところで、その直前の内容についての問いを出し、3分間で3行にまとめて論述させ、最後にすべてまとめてリアクションペーパーとして提出してもらうという試みをしています。3分とはいえ、学生もけっこう書けるものです。翌週、ふりかえりとして、問いごとに学生の解答のうち優れたものを各数人分印刷して配ると(写真参照)、学生への動機づけにもなり、ポイントを押さえた復習の資料にもなります。教員側も、どの程度の学生がどこまで理解しているかがよくわかります。遅刻をするとそこまでの質問が書けないというプレッシャーを与えられるのも利点です(友だちに聞いて遡って書く輩はいますが)。 15~20分に一回実施すれば、学生にとっても聞く・考える・書くという変化が生まれてよいとは思いますが、履修者数が多いと読むのに時間がかかってしまうため、このところは最後の質問・コメントも合わせて90分に3問しか実施できていないことが課題です。 実はこれ、FD推進センターのシンポジウム「私の授業の工夫:今日からできる誰でもできる授業改善」をヒントに、今学期はじめて試みていることです。ツールも使わず、その場で、しかも学生個人完結ですが、これも一種のアクティブラーニングといえるでしょうか。 ring_kobayashi_0001