教育開発支援機構FD推進センターについて

教育開発支援機構FD推進センターでは、FD(Faculty Development)を、「『自由と進歩』の建学の精神に基づく教育理念と教育目標を達成するためになされる、教育及び学びの質の向上を目的とした教 員・職員・学生による組織的・継続的な取組みを、FDと定義する」と捉えている。近年の世界情勢の著しい変化の中、「少子化」、「大学全入時代」、「大学 の大衆化」などの影響もあり、 FDとして取組むべき範囲は非常に多岐に展開している。また、「21世紀社会のニーズに応えられる大学基盤」構築のためには、FD活動は必要・不可欠ある ことは周知の事実である。 FD推進センターの設置の目的は、教育の質的向上に向けた全学的な教育支援施策の企画・開発、FD活動の支援を 行うもので、2003年 11月に発足した「法政大学全学FD推進委員会」を足掛かりとし、2005年4月に発足し、今年度で6年目を迎えた。現在は、5プロジェクト体制(施策開 発プロジェクト、FD推進プロジェクト、サーベイ&フィードバックプロジェクト、コミュニケーションプロジェクト、学習・教育支援プロジェクト、 2010年度4月現在、リーダー5名(教員)、メンバー27名(教員・職員))とアドバイザリー・ボード(センターの事業に関わる助言・提案及びチェック を行うとともに、学部教授会等との連絡調整を行う、34名の教員・職員で構成)で運営され、単位の実質化で求められる学習の促進方法などについて各教学単 位で話し合うためのツールとして「振り返りシート」の提供や、本学のFD活動のさらなる推進のため各種テーマのシンポジウム、フォーラム、ワークショップ の開催、「授業改善」のための「学生による授業改善アンケート」、「FD学生の声コンクール」、「オープンコースウェア」の実施、新入生向け「学習支援ハ ンドブック」や「法政大学教育研究」等も発刊している。 FD推進センターは、2009年11月に設置された教育開発支援機構内の3セン ター(FD推進センター、市ヶ谷リベラルアーツセンター、学習環境支援セン ター)の1つとしての役割を担うべく新たなステージへの「一歩」を既に踏み出した。しかしながら、法政大学のみならず「FDに関する現状の課題」は厳しい ものがあり、例えば中央教育審議会から2008年12月に発表された「学士課程教育の構築に向けて(答申)」では、「学士課程教育の充実のための具体的な 取り組みとして、学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受け入れの方針の三点」を改善すべきであるとの指摘がされている。学士課程教育と教育 の質保証という総合的な観点からの議論や提案は、当然、全学として取り組まなければならず、 FD推進センターの「責任」「役割」は極めて大きい。また、これらを成し遂げるためにFD推進センターとしても、さらに入口と出口に対する接続を踏まえつ つ、教育の質的向上に向けた全学的な教育支援施策の企画・開発、より実効的なFDの推進と各学部等と密接した形でのFD活動の支援を行っていく所存であ る。そのためには、教員・職員・学生の皆様をはじめ、広く学内外の方々からの「FD推進センター」に対するご要望やご意見が何よりも重要である。ここであ らためて「FD推進センター」へのさらなるご協力をお願いしたい。