授業を3部構成にしてみる
大学の90分授業は,高校の授業に比べて長く,学生の集中力もなかなか持続しません。教員が入念に準備して,系統立てて熱心に説明したつもりでも,学生にとって内容が過多で要点がつかめなければ,それはわかりにくい授業になってしまいます。したがって,授業にメリハリを持たせ,学生の好奇心を刺激する授業にするためには,授業の流れにも注意を払う必要があります。 時間配分の一つのやり方として,授業を3部構成にする方法があります。これは,授業を導入・本論・まとめで構成します。導入とまとめにそれぞれ10分から15分をあて,本論は60分程度と考えます。
本論ではテーマを身近に感じさせる
導入では,前回までの授業とのつながりを示し,その日の授業の「全体像」を説明します。レジュメや板書で,今日のテーマや流れを説明することで,学生は事前に要点をつかむことができます。前回の授業でコメントや質問を受けた場合には,必ずこの導入で回答します。実技や実験でも,大まかな流れや目的を説明するのが導入にあたります。 本論は,授業の核心部分です。本論は,要点によっていくつかの部分に分けます。テーマに関連するエピソードや雑談,ミニクイズなどをうまく挿入すると,テーマが身近に感じられ,学生の関心を高めます。 まとめは,授業を振り返る「総集編」です。授業の要点を再確認することで,学生の理解を定着を図ります。学生に感想や疑問点をコメントや授業記録に書いてもらうと,学生の反応を知ることができます。まとめでは,次回の予告もお忘れなく。授業外に学生が進んで学べるような課題を出すのも,学びを広げることにつながります。
参考 新田誠吾先生「講義:「授業記録」を使った学生とのコミュニケーション」