国際文化学部 – 学習コミュニティの構築

スムーズにSAに臨むために

国際文化学部では、海外の大学に留学して学ぶSA(Study Abroad)プログラムを2年次に実施しています。SAでは、海外での生活を通じてより生きた外国語を習得し、現地での授業によって知識を獲得するだけでなく、異文化を理解することで国際的な視野を持った学生へと成長することを目的としています。実際に、学生はSAから帰ってくると、留学を終えた充実感とともに大きく成長した姿を見せてくれます。しかし、そんな彼ら彼女らも実際に留学するまでというのは、現地での学習や言葉の壁、文化の違いなど様々なことに不安を抱いているのが実情です。そのため1年生のうちからできるだけ不安を解消し、現地での経験をより充実したものにして欲しいという思いがありました。そこで、SA中国では、1年生と2年生が交流できる学習コミュニティ(交流サイト)を オンライン上に構築し、すでに留学中、または留学から帰ってきた2年生に1年生が自由に質問して、現地での学習や生活の情報を直に得ることができるようにすることで、スムーズにSAに臨んでもらおうという試みを始めています。

学生に利用してもらうための工夫

授業の中で紹介することに加え、学習コミュニティのサイトが学習へのポータルサイトになるように、トップページに中国語の学習教材へのリンクを配置したり、フォーラム(掲示板)を使って課題を投稿させたりしています。完全に学生の自主性に任せてフォーラム等のサイトを運用したのではなかなか活性化しませんので、学習コミュニティのサイトをある程度授業設計の中に組み込んで利用しています。また、2年生から現地の様子が写真付きで投稿されたりすると、現地の様子が1年生にもよく伝わり、書き込みも増える傾向がありました。その結果、当初期待していた通りSAに向けた不安の解消が実現されるだけでなく、「もっと頑張って中国語を勉強したい」「早くSAに行きたい」といった書き込みがされるなど、学習意欲の向上にも寄与していることが認められています。 (1)目標を設定し、(2)日々の経験や出来事の記録をブログやフォーラムに残し、(3)目標に対して自分が学んだことや経験したことを振り返り、レポートを作成する、といった活動もeポートフォリオ・システム上で一貫して行うことが可能となりました。

レポートを作成して学生同士で公開

学習コミュニティは、maharaというeポートフォリオ・システムを利用して構築しています。学生には、帰国後にレポートの提出を求めており、学生はSAでの経験や学んだこと等をまとめるわけですが、学習コミュニティサイト上にアップロードした写真やフォーラムの中でのやり取り等がきっと役に立ったのでないかと推測しています。また、作成したレポートは、システム上で学習コミュニティ内の学生同士で共有できるように設定しました。課題を公開することによって、他人のレポートを盗用する学生が出てくるのではないかといった懸念もあるかもしれませんが、閉じたグループの中でそのようなことをすれば、教員だけでなく他の学生にもすぐに分かってしまいますし、グループのメンバーに見られるつもりでレポートを作成しますので、反対にレポートの質の向上にもつながっています。

参考リンク ポートフォリオとeポートフォリオ 情報メディア教育研究センター(http://www.media.hosei.ac.jp/