参加型授業の工夫

この授業は,毎回,次回あるいは次々回の講義テーマに関する宿題を課しています。各学生を数人の班に分けて,授業の開始時に各班で10分から15分程度かけ,班員がやってきた宿題を配布用紙にまとめて書き込んでもらいます。各班は世話役が決めてありこの作業の司会やまとめ,発表等をしてもらいます。また,書き込んだ用紙は授業終了時に提出してもらい,わたしがコメントを書いて,次回,各班に返却するとともに,クラス全体に各班の記述内容や全体の集計結果などを口頭で伝え,授業内容に反映させます。また,授業中にも質問やグループワークを取り入れ,幾つかの班の意見を聞くなどするようにしています。 これら学生から意見等を授業に反映させることは,たんに授業を「参加型」にして一方通行の「講義」にしないというだけではなくて,教員(わたし)が思いもつかなかった学生たちのすばらしい「視点」や深い思索を発見することにもつながります。また,逆に学生たちがこれまでの学校教育で刷り込まれてきた「正解を捜して,正しく答える」という規範意識が現れている模範解答がいかに多いかも分かります。その双方について,教員であるわたしの思うところを授業内で述べることは,本授業のテーマの一つである異文化間の相互適応という第三の文化を創造するための意識化(社会の事象を批判的に考え,問題を探り出し,既成概念にとらわれない方法で,多文化が連携して解決を目指すという構えを作ること)にも役立つと思われます。また,このことには,本授業に多くの留学生や「在日」の学生が参加し自己主張していることも影響しています。本授業が留学生という学習環境にとっての貴重な資源に支えられています。留学生も本授業の相互学習に貢献できることで満足していると思います。