入門ゼミでの工夫

顔写真提出の効果

私の担当するクラスでは、全受講者に顔写真の提出を義務づけています。クラス授業とはいえ、ゼミに比べて多人数なためどうしても学生の氏名と顔を一致させるまでしばらく時間を要します。写真を提出させることで、スムーズに名前を覚えることができ、同時に受講者名簿をみるまでもなく、学生に対し直接名前で呼びかけることができます。些細なことですが、学生とのコミュニケーションを円滑に運ぶ上での有効なツールの一つであると実感しています。

前期はグループワーク制

また、前期にはグループワーク制を採用し、学生を5名程度のグループに分け、講義と実習・発表を繰り返します。講義形式の授業ではどうしても一方通行のコミュニケーションになりがちです。しかし、グループワーク制を採用することで教員と学生の間のみならず、学生間でのコミュニケーションも醸成されます。とりわけ、実習結果の発表をグループ単位で行う際には、作業分担や意見の摺り合わせなどが不可欠であり、学生間の相互理解が飛躍的に高まります。また、そうした報告結果の善し悪しを相互に競いあわせることでゲーム感覚を生みだし、主体的に授業に取り組む学生の増加も狙えます。さらに、グループワーク制は問題を抱えた学生を発見する上でも有効だと思われます。

後期は個人別に研究

一方、後期では個人としての作業を行わせます。すなわち、各自が関心のあるテーマを設定し、前期に学習した内容をふまえて調査・分析を行い、みんなの前でプレゼンテーションを行います。この時期になれば、教員と学生だけでなく、学生間の相互理解もかなり深まっているため、報告内容に対して活発に意見も飛び交います。大多数の学生は人前で話すことに不慣れですが、報告・コメント・討論・問題解決というプロセスを繰り返すことで、多人数に自分の意見を主張するということにも免疫がつき、何よりも論理的に考察する能力が向上するものと確信しています。

授業資料等

なし