デザイン工学部建築学科 – 実習作品の蓄積

作品の蓄積

デザイン工学部建築学科では、2013~2014年度のJABEE受審を目指す中で、授業資料等のエビデンスに加え、アウトカムズ(学習成果物)として設計製図などの作品やプレゼンテーションデータを蓄積・保存する仕組みや体制が必要になっていました。授業支援システムの利用を当初検討していましたが、蓄積するファイルが大量・大容量であること、各学生のデータを学部4年+修士2年の計6年間保存しておく必要があることから、独自のポートフォリオシステムを構築・運用しています。 授業の配布資料や作品データといった電子ファイルはもちろん、レポートや試験の答案など紙媒体のスキャン画像もサーバに蓄積することができ、さらには図面や模型・授業風景(講評会の様子など)をデジタルカメラで撮影した画像を無線でクライアントパソコンに転送し自動的にサーバにアップロードすることも可能です。

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建築学科の独自サーバ:年度ページ(左)と科目一覧ページ(右)

QRコードラベルによるデータ管理

学生データの管理にQRコードを活用しています。学生証番号と氏名の情報が記録されたQRコードを全学生分用意し、QRコードが印刷されたラベルシール(QRラベル)を学生に配布しておきます。そして、紙媒体の提出物や作品にはQRラベルを貼るよう学生に指示しておけば、それらをスキャナやデジタルカメラで読み取るだけで、学生個人の特定と、その学生のフォルダへのデータアップロードが自動的に行われる仕組みになっています。これにより、教員やTA・職員・学生に大きな手間をかけることなく、さまざまなデータを効率的に蓄積することが可能になっています。  

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QRラベルサンプル

作品の公開とRFC(Request for Comments)機能

2011年度後期には、学生が自分の作品をポートフォリオにまとめ、公開することができるようになりました(公開には、SlideShareと呼ばれる、プレゼンテーション資料を共有することのできるサービスを利用)。2011年度末の時点で、「法政大学デザイン工学部建築学科2011年度建築研究賞発表会」でのプレゼンテーションなどがすでに公開されています。 さらに、公開作品に対してコメントを求める機能(Request for Comments, RFC)も実装されています。システム利用者は、パソコンやスマートフォンからサーバにアクセスし、友達や先輩・後輩の作品を閲覧したり、コメントを残したりすることができます。  

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RFCスクリーンショット

アクティブラーニング型授業の実践

建築学科では、演習・実習授業の中で学生がプレゼンテーションを行う際などにRFC機能を活用するなど、アクティブラーニング型授業の実践を進めています。RFC機能を使用することで、携帯電話からTwitterでつぶやくのと同様の操作で、プレゼンテーションに対するコメントをその場で手軽に学生が投稿することができ、このことが学生の主体的・能動的な授業参加の促進につながっています。また、市ヶ谷田町校舎には、発表会やグループワークの実施に適したアクティブラーニング教室「スタジオHAL(Hosei Active Learning)」が理工系学部情報教育システムedu2011によって導入されており、RFC機能を取り入れた授業を実施しやすい環境にあるといえます。  

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スタジオHALでの利用

  • 建築学科の取組みは、「第8回日本e-Learning大賞(奨励賞)」(2011年)を受賞しています。
  • RFC機能の実現など取組みの一部は、2011年度「特色あるFDへの取組み」助成金によるものです。