ふたりで同一内容の講義
財政学は経済学部の基礎的な科目で、登録者数が多いために2005年度よりクラスをふたつに分けています。この年、同一科目を異なる教員(小林克也先生と廣川)が担当することになったのですが、ふたりで「全く同一の内容で講義を行い、試験も統一しよう」という方針を立てました。いわゆる「コラボレーション」です。それ以前には、基本的に廣川がひとりで担当していたのですが、その内容を基本としてふたりで進めていく形をとりました。
コラボレーションによるメリット
財政学にも異なるアプローチがあるので、異なる内容の講義を行い、学生が好きな方を選べるということも意味があると思います。しかし、財政学のような基礎的な科目では、ふたりでそろえた形で講義を行うことで、多くのメリットが生まれます。何より、学生に均質なサービスを提供できる、そして、より応用的・発展的な講義への共通な土台への橋渡しができるという点です。教員どうしもお互いに授業の内容を検討しあうことで、ひとりよがりにならない、より洗練されたサービスを目指すことができるでしょう。ノート作り等、講義の準備を分担出来るため、作業を効率化できるという面もありますが、常にお互いの目を意識するため、緊張感も生まれます。 学生さんが自分の講義だけを聞きにきているのではなく、さまざまな講義をセットにしてのサービスを受けているわけですから、ふたりの間では統一するのが当然という意識がありましたし、学部全体の科目の連関がきちんと出来たらというのが野望です。とはいえ、まだまだ始めたばかりで穴もたくさんあります。まずは小さな一歩が、ここでの試みです。